腰痛は、現代人の多くが悩まされる不調のひとつではないでしょうか。
そのため、当院にご来院される方の中にも腰痛でお困りの方が少なくありません(腰痛以外の症状も複合的にお持ちの方も含む)。
実際のところ、腰痛の原因はさまざまです。
ネットで調べても、腰痛に関する情報はたくさん見つけることができます。
また併せて、腰痛の改善方法についてもさまざまな方法がYouTubeなどでも紹介されています。
ですので、私が腰痛に関する情報をお伝えしたとしても、腰痛でお困りのすべての方に当てはまらない場合がございます。
それをご理解いただいたうえで、今回は当院が行なっている「内臓・クラニアル(頭蓋骨)・エネルギー整体」の観点から、腰痛の方に多く見られる不調箇所を2つ紹介いたします。
また、それらの箇所を正常化させるためのセルフケアも紹介します。
これをご覧の方も、以下に示す箇所をセルフケアなどで改善されると、腰痛が和らぐ可能性があります。
内臓から見た腰痛が起きるメカニズム
参考までに、腰痛が起きるメカニズムを簡単に説明させてください。
私たちの考えでは、腰痛の原因は内臓が硬くなることだと考えております。
あくまで、シンプルにお伝えするよう心がけております。
なぜなら、とりわけ一般のお客さまにおかれましては、そのくらいのシンプルな理解のほうが腰痛を改善する手を打ちやすいと思いますし、実際に改善しやすくなると考えるからです。
逆の見方をすれば、内臓をゆるめれば腰痛は改善します。
私たち人間の体には「内臓体制反射」という働きがあります。
何らかの理由で内臓に疲労が蓄積すると、体は内臓を守ろうとしてそのまわりの筋肉や筋膜などが硬くなります。
硬くなった部位は血流が滞りやすくなり、また溜まった水分の重みで内臓が下垂します。
さらには、下垂した内臓の影響で骨格や血管、神経などのゆがみを生じさせます。
それらが組み合わさった結果、腰痛が起きていることがあるんですね。
だからこそ、内臓をゆるめることで本来の位置と機能を取り戻し、また血流の正常化やゆがみの解消が必要になります。
そこで今回は、とりわけ腰痛の方のお体に多く見られる、硬くなりやすい2箇所を紹介したいと思います。
腰痛に大きく関係のある内臓:腎臓
整体手技で、腰痛の方のお体を施術させていただくと、腎臓が硬くなっているケースが少なくありません。
腎臓は、背中側の腰のあたりにある臓器です(上写真)。
腎臓が硬くなっているだけでなく、腰の筋肉も含めて硬くなっていることが多いですね。
腎臓および腰周辺の筋肉が硬くなっていたら、腰周辺の背骨(腰椎)や骨盤まわりの動きに支障をきたしそうなのは、なんとなく想像できることと思います。
そして、それらの動きが悪くなってくると腰痛にもつながりそうな気がしませんか?
実際に、腰痛の方で腎臓をゆるめることで痛みがなくなったり、腰が軽く感じたり、体が動かしやすくなるといった変化を実感される方はけっこういらっしゃいます(※すべての方の効果を保証するものではありません)。
腰痛に関係のある筋肉:大腰筋
つづいて、内臓ではないんですが腰痛と関連性の高い筋肉として「大腰筋(だいようきん)」があります。
大腰筋は、脚を上げ下げするときに働く筋肉です(上写真)。
そして、大腰筋は腎臓の影響を受けやすい筋肉なんですね。
大腰筋が硬くなったり動きが悪くなったり、左右がアンバランスなことで腰痛を引き起こしているケースがあります。
仰向けの状態で説明すると、大腰筋は腎臓の上にある筋肉です。
腎臓に隣接していると言いますか、腎臓とくっついているような状態にある筋肉なんですね。
大腰筋が腎臓の影響を受ける一例
腎臓は、体内の水分調整を行なっています。
そして、体内に水分が溜まると、尿として排出するために水分はいったん腎臓に集まります。
すると、水分の重みによって腎臓が下垂してしまうことがあります。
さらに、腎臓が下垂することによって、腎臓とくっついている大腰筋が収縮しはじめます。
これによって、腰椎(腰のあたりの背骨)が湾曲(ゆがむこと)するようにもなります(※ゆがみの度合いは個人差があります)。
つまり、腎臓をきっかけに骨格がゆがみ筋肉がアンバランスな状態になるんですね。
そのような状態で、急激に腰に負担のかかる動作を行ったときにぎっくり腰が起きることがあります。
ちなみに、ぎっくり腰は春・秋など、季節の変わり目に起こりやすい傾向があります。
それは、環境の変化にまだ体が適応できていなくて、体内の水分調整がうまくできず、体内に水分が溜まりやすいからです。
腰痛改善のためのセルフケア 〜手当てとは?〜
これから、腰痛改善のためのセルフケアを紹介いたします。
ちなみに、当院が行なっている内臓・クラニアル整体は「手当て」がベースの整体手技です。
そのため、セルフケアも「手当て」を行っていただきます。
例えば、お腹が痛いときに無意識にお腹に手を当てたことはありませんか?
これは、手当てによって体が反応し、手を当てている箇所の筋肉や内臓をゆるめて、血流を促しているんですね。
このように、人間の手には体を癒す力があります。
そのため、当院の整体施術は筋肉を強くもみほぐしたり、骨格をバキバキするものではありません。
不調箇所に手を当てて、体本来の反応を引き出す“やさしい整体”です。
ぜひ、手当てのセルフケアでお体が変わることを実感してみてくださいね。
腰痛改善のためのセルフケア 〜ビフォー検査〜
まず、セルフケアを実践される前後には、簡易的な検査をされることをお勧めします。
そのほうが、セルフケアによる変化を実感しやすくなるからです。
こちらでは、検査方法を3つ紹介します。
なお、腰痛の症状によっては検査の動作で痛みが生じる場合もあります。
ですので、痛みのない範囲でムリせず検査を行なってください。
検査法
椅子に浅く腰掛けた状態で、首をゆっくり左右に向けます。
左右とも、どのくらい向けるかをチェックします。
つぎに、体の前で手を組んでヒジをまっすぐ伸ばします。
その状態をキープしながら、上体を左右にねじります。
左右とも、どのくらいねじれるかをチェックします。
最後は、前屈・後屈です。
肩幅くらいに立って、体を前に倒します。
ヒザが曲がらない範囲で、どのくらい前方に倒せるか?をチェックします(※腰に痛みが出ない範囲で行なってください)。
つぎに体を起こして、今度は両手を腰に手を当てて上体を後方に反らせます。
どのくらい反らせることができるか?をチェックします(※腰に痛みが出ない範囲で行なってください)。
腰痛改善のための腎臓セルフケア
では、ここからセルフケアの実践です。
まずは、腎臓からです。
腎臓セルフケア①
まず、腎臓の場所を確認しましょう。
立った状態で、おへその両サイドでグーを作ってください。
その位置から、両手を真裏(背中側)にぐるっと移動させます。
このあたりに、腎臓があります。
できる方は、グーの手を開いて手のひらで背中を触ってみてください(※肩などが痛い方は、ムリに手のひらで触らなくても構いません)。
腎臓セルフケア②
セルフケアは、片方ずつ行います)。
片手は背中側から、もう片方はお腹側から腎臓のあたりを触ります。
この体勢を、仰向けで行います。
なお、腕を背中側に回すときに痛みを感じる場合には行わないでください。
その場合、両方の手でお腹側から腎臓あたり(おへその横)を触れましょう(※片方の腎臓を両手で触れています)。
先ほども紹介したとおり、腎臓は背中側にあります。
しかし、お腹側から腎臓を触っているイメージをしていただければ構いません。
腎臓セルフケア③
「手当て」をした状態で、ゆっくりとリラックスして深呼吸を行います。
このとき、手当てをしている腎臓がゆるむイメージや、腎臓の血流がよくなるイメージ、また腎臓が元気になるようなイメージをすると、より効果的です。
このセルフケアは、1回深呼吸するだけでも効果があります。
ですが、余裕のある方は1〜3分くらい、または手当てをしている箇所が柔らかくなったと感じるまで深呼吸をしながら手当てしてみてください。
片方ができれば、もう一方の腎臓を同じようにケアしましょう。
腰痛改善のための大腰筋セルフケア
つづいて、大腰筋のセルフケアです。
椅子に浅く腰掛けます。
そして、腰に手を当てた状態で右脚をゆっくり真上に上げて下ろします。
つぎに、同じように左脚を上げて下ろします。
このように、片脚の上げ下げを10回くり返します(※片脚5回ずつ)。
脚を上げるときに、腰が丸まったり、脚がナナメに上がらないように気をつけましょう。
腰痛改善のためのセルフケア 〜アフター検査〜
セルフケアをはじめる前に行った検査を、はじめと同様に行います。
セルフケアによって腎臓や大腰筋がゆるむと、はじめに比べて体を深くねじれたり前後屈が深くなります。
それは、腎臓や大腰筋がゆるむに伴って、筋肉や筋膜もゆるみ、また骨格も正常化することで本来の動きや機能を取り戻すからです。
なお、検査はムリのない範囲で行ってください。
腰痛改善のためのセルフケア 〜水分をしっかり多めに摂ろう〜
セルフケアの補足として、日常的に水分を多めに摂ることを心がけてみてください。
お勧めは、常温のお水または白湯です。
日常的に水分が不足していると、腎臓に負担がかかりやすくなります。
その結果、腎臓が硬くなり腰痛につながることが懸念されます。
腰痛の方は、水分が不足している傾向があります。
しかも、そのことをあまり自覚されていない方も少なくありません。
お水をしっかり摂ることで、腎臓がゆるみやすくなります。
また、セルフケアの効果も高まります。
一般的に、水分は1日あたり体重1kgにつき約35mlが必要だと言われています。
ですので、体重50kgの人は1.7リットル、60kgの人は2.1リットル必要です。
とはいえ、いきなり水分を必要量まで増やすのは大変かもしれません。
そこで、例えば500mlの水筒にお水を入れて、毎日必ず水筒の水を飲み干すといったようにしてみてください。
「水分を多めに摂る」と意識するよりも「水筒やペットボトルの水を飲み干す」としたほうが、摂取量がはっきりして水分を摂取することができます。
体の要だからこそ、毎日のケアを
「腰」は字のとおり、体の要の部位です。
そのため、腰痛になると生活に大きな支障をきたします。
だからこそ、日頃からきちんとしたケアを行って、腰痛のない体づくりを行ってください。
そのために、ぜひ今回紹介したセルフケアを実践してみていただければと思います。
そしてもし、セルフケアだけでは思うように改善されない場合には、一度、当院にご来院ください。
くわしく、お体を診させていただきます。
元気で笑顔あふれる毎日を、お過ごしいただけることを願っております。
最後までお付き合いくださいまして、感謝いたします。